起:問題提起
あなた
エリオット波動はフラクタルだから、上昇ならどこまで分解しても上昇5波+調整3波になるよね?
もしドル円が永遠の上昇系列だと仮定できたら、ユロドルや他の通貨も必ずどちらかに分類できるはず。
そうすればカウントの迷いがなくなり、もっとシンプルに分析できるんじゃないか?
承:原理の確認
私
その発想は一貫してる。
ドルが左側にあるペア(USD/JPY, USD/CHF, USD/CAD)は上昇系列。
ドルが右側にあるペア(EUR/USD, GBP/USD, AUD/USD)は下降系列。
クロス通貨は「上昇系列 × 下降系列」の干渉で方向が決まる。
ただ、気をつけるべきは「5波のあとに逆方向の5波が来るか?」という点だよ。
転:疑問と検証
あなた
そう、それを知りたい。
5波のあとに本当に逆5波が始まることがあるなら、エリオットの原理自体が崩れるんじゃない?
私
結論から言えば、原理的にはあり得ない。
エリオットの大原則は「5波 → 3波」であって、「5波 → 逆5波」は存在しない。
逆5波に見える現象は、実際には「大きな3波調整の内部構造」で小さな5波が現れているだけ。
だから、原理が破綻することはない。
あなた
でも、結局「これは大きな調整だ」と言い張れば、何でも説明できちゃうじゃないか。
それだと理論が骨抜きになるのでは?
私
確かにその弱点はある。
だから実務では「大調整か、本当の転換か」を判断するために、通貨体制の変化や歴史的ショックといった外部要因を重視する。
例としては:
1929年の米国株暴落
1989年の日本株バブル崩壊
1971年のドル円(ニクソンショック)
これらは「ただの調整」ではなく「実質的な転換」として読むべき局面。
結:結論と意義
あなた
なるほど。でも僕が言いたいのは、そうした歴史的解釈ではなく、分析の現場での扱いやすさなんだ。
ドル円を「永遠の上昇系列」と決めてしまえば、他の通貨も自動的に上昇系列/下降系列に振り分けられる。
そうすれば迷いなくカウントできるし、考え方もシンプルになる。
私
それなら全くその通りだ。
原理を壊さないまま、
系列ラベルを固定して、
迷ったときでも「この通貨は上昇系列、これは下降系列」と決め打てる。
正しいかどうかを未来に保証するものではないけれど、分析の再現性と一貫性を高める実務的な工夫としては大いに意味がある。
まとめ
エリオット波動の大原則は「推進5波 → 調整3波」で、逆5波は存在しない。
見かけ上そう見えるのは、階層の違いか内部構造の錯覚にすぎない。
だから原理は崩れない。
そのうえで「ドル円は永遠の上昇系列」と仮定すれば、通貨ペアを上昇系列か下降系列に振り分けて整理できる。
これは原理的に矛盾せず、実務ではカウントの迷いを減らし、シンプルで一貫性ある波動分析を可能にする。
エリオット波動とAIとドルの話(雑談まとめ)
エリオット波動は「5波上昇と3波調整で相場はできている」という観察則。
フラクタルだからどの時間軸でも説明できる。でもそれが逆に曖昧さを生む。
そこで「もしドル円を永遠の上昇系列と決めれば、他の通貨も上昇か下降かに振り分けられるから、カウントがシンプルになるんじゃないか?」という話になった。
理屈としては成立する。でも、実際のドルは購買力では下降一辺倒(インフレ)。為替ベースでは上下を繰り返すレンジ。つまり「永遠の上昇」でも「永遠の下降」でもなかった。
結論としては「分からない」。
エリオット原理に従えば必ず5波のあとに3波が来るけど、どのスケールで切るか次第で見え方が変わる。だから未来を断定する理論にはならない。
ここから「じゃあ意味ないじゃん」という苛立ちも出た。
実際、エリオット波動は真理を与える理論じゃなくて、混沌を少し整理するための道具。
AIも同じで、絶対的な答えをくれる存在じゃなく、曖昧さを増幅することさえある。
つまり、AIはドラえもんの道具ではなく、せいぜいブロックのおもちゃ。
使い方次第で発想を広げるには役立つけど、未来を保証してくれることは絶対にない。
まとめ
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ドルは永遠の上昇でも下降でもない。購買力は下落、為替はレンジ。
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エリオット波動は観察則で、未来を断定できる理論ではない。
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AIもまた真理をくれる存在ではなく、曖昧さを扱うための“おもちゃ”。
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便利だけど万能じゃない。混沌を消すどころか、増やすこともある。
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